えッ、なぜ蔵王なの? - 粕谷隆夫
2023/09/27 (Wed) 06:53:02
最近は「仕事」と「旅」の混在感について考えております。過去を振り返ると、「仕事=旅の感覚」が生じることが否めない。
1950年、昭和25年に寄せられた投票数が、7750万票に達している事実に驚きます。そして1位が蔵王! 戦後が終わっていないこの当時、どうやって蔵王まで観光するのか。お釜までバスが通っていたのかな。
サラリーマン時代に山形道が完成し、村田ジャンクション付近に支店を出すべきという意見を出したら、「じゃあ、粕谷さんが行って」ということになりまして、週の半分を村田町で過ごしました。目の前が蔵王。その風景は、四季折々美しかったです。
Re: 北帰行ではないが - 粕谷隆夫
2023/09/27 (Wed) 08:03:56
還暦を過ぎてからは、なぜか東北/北海道ばかり旅をしている。幹事が小林君のときは気楽にハイハイと南や西に、金魚のフンのように付いて行きますが・・・。
北海道は広々した面ですが、東北は6県とも深みに引きずり込まれる感覚ですね。
旅のつばくろ 寂しかないか
おれも寂しい サーカス暮らし ♪♪♪
「ちょっと、ちょっと、おまえ爺さんみたい」。
Re: やはり鉄ちゃん、川上兄だろう - 粕谷隆夫
2023/09/28 (Thu) 07:35:05
「水源地5号の原稿できたのか」というメールが入りました。25年の歳月をかけて上梓された沢木耕太郎『天路の旅人』を読み込んだが、圧倒されて心は千千に乱れ、頭は致知に至らず。「まあ簡単な感想文で今回はおわり」と答えておきました。
しかし書庫の沢木耕太郎の本を再読したら面白くて止まらない。昔読んだ本をふたたび手にする歓びは、銘酒を盃にあふれさす感覚ですかね。
鉄道旅はやはりわれらの友、鉄ちゃん川上兄の登場でしょう。春夏秋冬の鉄道旅、でも一杯やりながらの鈍行列車は今あるのかな?
Re: 連想はつづく - 粕谷隆夫
2023/09/29 (Fri) 08:00:07
わが社に津軽(弘前)生まれの山本君という人がいます。君といっても65歳を過ぎてます。すなわち定年に達して、現在は70歳までの契約社員。いろいろ苦労して、流れ流れて古里を離れ、この世間を芯から知悉しています。今も7トンユニック車を運転しています。
ドライバーたちが集まって一杯やると、「山本さん、酔っぱらうと早口になるのはいいが、使う言葉がこちらとしたら、さっぱりわからなくなります」。
「津軽の女は我慢強いです。俺のかかあも頑張り屋だ」と彼は言う。そして弥三郎節を軽く歌う。
五つァエー いびられ はじかれ にらめられ
日に三度の口つもる アリャ弥三郎エー
六つァエー 無理な親衆に 使われて
十の指コから血コ流す アリャ弥三郎エー
九つァエー ここの親達ア 皆鬼だ
ここさ来る嫁 皆馬鹿だ アリャ弥三郎エー
津軽民謡だが、主人公は弥三郎ではなく、その若嫁です。
司馬遼太郎は街道をゆく『北のまほろば』に書いている。この嫁っこは、隣村の水元村から、箪笥など三つ物をそろえて嫁入りしてきたが、朝な夕な、婚家の人達からいびられる。全編そうで、ついに暇をもらって出ていく、という唄である。救いはない。
「弥三郎節」の嫁は、人の世の、若さということにおいては頂点にいる。棟方志功のイメージの虚空では、嫁はころころと熟れかけの果実のようによろこびを生き、それにひきかえ、姑どもは寂滅へと下降しつつ、嫁の若さをそねみ、やよ思い知れ、おのれの若さも束の間ぞ、と針をふくみ、毒を吹きかける。
おいおい司馬先生、あまりにきつくないですか。