雲巌寺 - 粕谷隆夫
2024/11/26 (Tue) 09:05:32
さてさて今年もあまりに多くのゴタゴタがあったが、まだ年の暮れが残っています。フ―ッとため息をついていると、「何処かドライブを」との声。
まあ、峯雲先生の歩いた道を言うと、女房も娘も、素直にうなずきます。と言うわけで、雲岩(巌)寺まで行く。吉永小百合の宣伝で、急に人出が多くなり、外人さんも訪れています。「さすが日本交通公社」と言うと、娘も笑うし、配偶者も酔っぱらっているのと呆れます。
まあドライブだから、国道118号を走って黒羽に行く。袋田の滝を通るが、配偶者は「鮎の塩焼き、鮎の塩焼きよ」と騒ぐ。こちらはドライバーだから、旨い国酒を呑めないのだという刑務所入りなので無視。
しかし素晴らしい秋晴れ。やはり若きドライバーに運転をまかせて、小生は後ろの席でビールを呑みたいですね。(ただ、最近はトイレが近いです)。
Re: 32年間も勤めたの! - 粕谷隆夫
2024/11/27 (Wed) 07:40:45
しかし毎年何人かが欠けていきます。まあ、そういう年齢の世界に入ったということですか。札大露語の4期生、小林女史(旧姓・村岡さん)が忽然と去ってしまったことは、やはりショックでした。
あの文章を思い出します。「ナウカの試験が始まった。ソビエト大百科からの抜粋を訳せとのこと、全然できなかった」。(2016年12月/水源地第1号)
われわれ後輩はのちに驚くのです。「えッ、受かったの!本当かよ?」。
Re: 『外国語を届ける書店』(白水社刊) - K.Murano
2024/11/29 (Fri) 16:26:29
上記、粕谷発行人が紹介の新刊書に関心のあるかたは、以下の版元サイトをご覧ください。
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b652183.html
Re: 『心はすべて数学である』/『自選・谷川俊太郎詩集』 - K.Murano
2024/11/29 (Fri) 21:22:57
天道公平氏の読書指南を拝受して津田一郎著『心はすべて数学である』(文藝春秋社、2015.12.10第1刷発行)を近隣の市立図書課から借りて通読した。二日間で読まされた。
どこか(いい意味で)乾燥したような、無駄のない文体が、津田氏の数学者としての<May Way>の軌跡を現出している。高名な楽曲の日本語歌詞とは異なり、津田氏の数学マイ・ウェイはおわらない。進行中である。
私は津田氏の本と共に『自選・谷川俊太郎詩集』(岩波文庫、2013.1.16第1刷、同年2.15第4刷発行)も借りたが、こちらの方はどうにも興に乗って読んでいけなかった。あっちこっち「つまみ読み」しただけだ。これは自身の各時期の詩集から少しずつ選んだものを寄せ集めた格好の文庫本だが、私にはどうにもとっつきにくかった。
コンビニで買った東京新聞(2024.11.20付)の社説「追悼谷川さん 詩で問うた『命と世界』」には、「戦後の現代詩が難解になり、人々の関心が薄れゆく中で、なおも読む者の心を捉える力強い創作を続けた人の逝去を悼む。」とあったが、私には谷川俊太郎の「現代詩」は「難解」に感じた。社説子には「わかりやすい」のかもしれないが。
Re: 正誤表 - K.Murano
2024/11/29 (Fri) 21:28:54
上記:
(誤)<May Way>
(正)<My Way>
Re: 「死者たちへの手帖」(鷲巣繁男) - K.Murano
2024/11/29 (Fri) 22:18:52
上記の東京新聞では一面、五面(社説)、二三面(社会面)と大きく谷川俊太郎を扱ったが、今年の文化勲章受章者の一人は高橋睦郎という詩人である。私は見ていないが、髙橋の受賞のことは新聞ではどう報じられたのだろうか。
かつて札大と北大その他、主に北海道のロシア文学者が集って同人雑誌「えうゐ」を発行していたが、その雑誌に、高橋睦郎と親しかった札幌在住の正教詩人の鷲巣繁男(1915-1982)も参加していた。以下は、その「死者たちへの手帖」の一部。私には、ウクライナ戦線で死んだ若い兵士の新しい墓標のある墓地が目に浮かぶ。
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墓碑たちはくりかへすだらう。
素直な園児のやうに己れの名を。
日差しの中へにじんでいく雨は、
世界の記憶を、生の痙攣をなだめてやる。
多くの死が死を打消していくとき漸く、
刻まれてゐる多くの名は、未知の文明のやうに魅惑をかちとる。
そして、花々と鳥々の会話は、
変貌の中で、いつも新鮮なのだ。
墓碑たちはくりかへすだらう。園児たちのやうに。
自らはもはや知らない 刻まれた己れの名を。
その故に、鳥たちは優しく歌ひ続けるだらう。
意味を喪つた歌が 何よりも美しく聖なる形をもつ秘儀のやうに。
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【出典】『定本・鷲巣繁男詩集』(国文社、昭和46年〔1971〕9月1日発行)、181-182頁)