新刊案内(羽仁五郎訳からほぼ一世紀ぶり) - K.Murano
2024/11/20 (Wed) 11:08:47
江戸時代末期(後期)、明治初期に来日した外国人の日本見聞録の邦訳書を発行してきた都内の書肆「露蘭堂」から以下の新刊が上梓された。
A.J.フォン・クルーゼンシュテルン著、山本秀峰編訳『クルーゼンシュテルン日本周航記 1804~1805年 ロシア艦ナジェージダ号長崎・蝦夷地・樺太滞在記』
遍く江湖の諸兄姉にお勧めします。詳しくは以下の版元HPをご参照ください。
→ http://www.ne.jp/asahi/books/rolando/
秋菊と寒菊 - 粕谷隆夫
2024/11/20 (Wed) 07:44:41
日本の近現代史は「庶民の忍耐力」あるいは「国民の誕生」を痛感させます。文化文政の江戸のほうが気楽さを感じてしまう。
それにしてもみなさん哀しみに耐えています。それを表に出さない。
Re: 時間を引きずり - 粕谷隆夫
2024/11/21 (Thu) 07:56:53
「根気が無くなったのね」と家人から言われます。最近は昔読んだ本をパラパラめくってボーとしていることが多いです。「ぬるめの温泉のようだ」。
考えてみれば、小さいころは、自家用車を持っているサラリーマンはいなかった。大村崑のミゼットばかり走っていた記憶が濃い。
木曜日。週刊新潮の日です。五木寛之の文章がいろいろなことを思い出させる。私も風呂が大好きで、夕方と早朝に入ります。早朝5時に家を出ますが、45分のドライブで6時近くになっても周囲は真っ暗。弊社の対面(といめん)も運送屋なので、すべてのトラックが出発していて、誰もいない。わが社のトラック野郎も4分の3は出庫している。「しかし本当によく働くよ」である。
朝の光が差し込むと、「今日も一日頑張るか」。それしかないのです。しかしこの連載も519回。「よくやるよ」です。
浅草 - 川上 宏
2024/11/18 (Mon) 09:40:37
昨日、橋場(台東区の東北端)のバス停でバス待ちしていたら
70代後半と思われる爺が話しかけてきた。
これからバスで浅草まで行き、焼き鳥屋で一杯やるのだという。まだ3時前だ。そして6時をまわった頃には店を出て、馴染みのママがいるスナックで飲み直し、最終のバスで帰宅するのだと言っていた。
焼き鳥屋は大井家という名前だそう。
Netで検索したが分からなかった。インバウンドとは無縁に、
路地裏でひっそり営んでいそうな店だ。
今度浅草に行った時に探訪してみようと思う。
Re: 大井家? - 粕谷隆夫
2024/11/19 (Tue) 07:07:46
花やしきの裏の千束1丁目あたりかな?
しかしあの当時の自分たちに戻りたい?いまの新札を女将さんに渡したら目を丸くするだろう。しかし着物はいいね。
ロシア語 外交文書の書き方 - 美水正一
2024/11/15 (Fri) 10:42:58
最近、昭和34年 外務大臣 官房文書課が作成・編纂した「ロシア語 外交文書の書き方」と題する全209頁の本を入手しました。内訳は:
*第一章 外交文書の分類とソ連邦における慣行
*第二章 外交文書の慣用語句及びその書式について
*第三章 ロシア語外交文書の文例
*附録
から成り1956~1958年当時の文例がまとめられています。
目を通すと、ソ連側が当時の岸信介首相に宛てた駐日ソビエト連邦特命全権大使の信任状を昭和天皇に手渡すために謁見を求める手紙がありました。その他、人事関係、査証、通関等便宜供与、要請、照会、通報、招待、祝意・弔意・謝意伝達等の文例がまとめられています。これをマスターすれば我々も外交文書の達人になれるかもしれない、という内容です。面白そうなのでロシア語文書の翻訳をしたいのですが、僕の入手した本は、いわゆる「青焼き」と言われる「湿式」の感光紙にコピーしたものなのでかなり劣化しており、判読できない箇所もあるのです。従い、先ずはロシア語の部分を書き直すところから始める必要がありそうです。
とはいえ、これに先立ち一通りの翻訳作業を終えたロシア語ビジネス文書文例集(全855頁)を最終的にどうするのかが未決のままなのです。先ずはこちらを先に決着させなければならないのですが・・・。
Re: ロシア語 外交文書の書き方 - K.Murano
2024/11/15 (Fri) 11:24:01
国会図書館のサイトで検索しましたが、出てきません。
「日本の古本屋」では一店だけ案内していましたが、(部内参考用)とありました。きわめて珍しい資料です。
ぜひ「水源地」8号で紹介の文章を載せてください。
11月例会 - 吉澤稔雄
2024/11/13 (Wed) 12:37:19
昨日、いつものメンバーが茨城県守谷市の鮨の吉右エ門に集い、例会を行いました。今回はジャイアント青柳君が都合により不参加。相変わらずただ飲むだけの会ですが、これも老後の楽しみのひとつです。
次回は12月で忘年会。たまには「せんべろ」に行きたいという声も出て、どうなることやら……。
Re: 西行 - 粕谷隆夫
2024/11/14 (Thu) 07:16:00
街中の街路樹の紅葉が美しい。
われらの仲間が72歳に達しています。「それがどうした?」・・・「いや、西行が亡くなった年齢が72歳だったことを想い出したのさ」。
「哀々此の世はか」。
Re: 11月例会 - 川上 宏
2024/11/14 (Thu) 15:55:49
T嬢に年齢を尋ねていた輩がいた。ジョークだったらいいけ れど、そうでなかったらヤバイ。
クラス会 俺の齢聞く ボケた友(シルバー川柳)。
Re: 2023年間賞 - 粕谷隆夫
2024/11/15 (Fri) 06:59:21
テーマ川柳です。
●アルコール入れば品格急降下 【品】
●最近は地震強盗詐欺コロナ 【地震】
そういえば昔は「地震雷火事親父」だったなあ。
●リゾートなら夕日アパートなら西日 【アパート】
●教会へ六日後お寺の鐘を突き 【二刀流】
●ふる里がこだまやまびこ近くする 【山びこ】
●家中にマッチ一本見当らず 【火災】
●お父さん醤油は味をみてからよ 【エチケット】
Re: やはり成田さんだろう - 粕谷隆夫
2024/11/16 (Sat) 08:13:13
大学一年のとき、経済学部の成田さんと知り合いましたが、彼が静かに読んでいた小説が『背教者ユリアヌス』。彼はのちに辻邦生全集を読む人だと感じました。
また同じ小説を長野県出身の露語七期生のMさんも読んでいたが、彼も静かなひとでしたね。
西行への視線は日本人を刺激するのはなぜだろう。自分が生きて死ぬことに対する不安を消してくれるためかも知れません。
Re: 川柳、やはり阪井久良伎だろう - 粕谷隆夫
2024/11/18 (Mon) 08:44:18
新聞『日本』といえば子規だが、ここに阪井久良伎(さかいくらき)もいました。歌人、佐々木信綱の蔵書であった橘曙覧の『志濃夫廼舎(しのぶのや)歌集』を、子規のために借覧する労を取ったのが彼です。子規は曙覧の歌に感動し、短歌革新の原動力とした。阪井は川柳誌【五月鯉】を発行しています。
「坂の上の雲」の『日本』新聞社の情景を注意深く見ましたが、阪井は登場していませんでしたね。
「絶叫セラピー」? - K.Murano
2024/11/10 (Sun) 21:26:12
大学時代の某先輩がfacebookの投稿を回してくれることがあるのですが、以下は、つい最近の、NYに25年ほどいたとかいうジャーナリストの書き込み。
━━━━━━━━━━━━
北丸雄二
Re: 「絶叫セラピー」(2) - K.Murano
2024/11/10 (Sun) 21:28:38
失礼しました。北丸雄二氏のあとは、以下のように続きます。
「トランプ票が増えたといっても、ニューヨーク・シティは今、多くの人が「セラピー therapy」って言葉を口にしている。Cat Therapy, K-Drama Therapy, Pasta Therapy, Wine Therapy, Screaming Therapy, Shopping Therapy....」
Re: 「絶叫セラピー」(3) - K.Murano
2024/11/10 (Sun) 21:38:34
以上の列挙のうち、Screaming Therapy(絶叫セラピー)に私は注目します。
北丸氏は新聞記者、ジャーナリストとしてNYに25年ほどいたというが、米国人はNYのどこで「絶叫」するのか。それほどまでに今回のトランプ当選のショックが大きいという米国人がいるのか。
かえりみて日本国の今回の衆院選だが、果たしてイシバ当選にショックを受けて「絶叫」した日本人がいたのだろうか。
とくに総理大臣には、くれぐれも日本国が戦争に巻き込まれぬように、と望みます。
Re: 正誤表 - K.Murano
2024/11/10 (Sun) 21:44:19
上記:
(誤)かえりみて日本国の今回の衆院選だが
(正)かえりみて日本国の今回の総裁選だが
酒、遠方より来たる - 粕谷隆夫
2024/11/08 (Fri) 06:38:23
札幌に雪が降ると同時に、國稀酒造の銘酒「特別純米酒・國稀」が札幌の友人から届きました。この友人はまったく酒が呑めない御仁です。しかし昔から呑んべいの友人たちの席にいます。ありがたい。
と同時に小樽在住の同期Aさんから、奥様手造りの【イクラ】が五ビン届く。二ビンは近所に住む娘夫婦が早速取りに来ましたね。ありがたい。
北海道の冬到来がこちらにも届きました。
Re: 連想ゲーム - 粕谷隆夫
2024/11/09 (Sat) 07:27:04
村野氏の紹介している『老いのレッスン』が面白く、ウヰスキーを片手に読んでおります。氏は著者の精神のキーワードを【良識】に求めています。
小生はまったく関係なく、大田南畝『一話一言』が出てきて懐かしくなりました。蜀山人。四方赤良。キーワードは【狂歌】。時は天明。
中年時代、ストレスに陥るたびに救済してくれた江戸文學。峯雲先生は芭蕉と旅で精神を救ったが、こちらは狂歌。南畝の辞世(世を辞するという言葉、いいね)の句。「今までは 人のことだと思ふたに 俺が死ぬとは こいつはたまらん」。
そういえば、ロシア文学の札大の恩師である貝沼先生の書斎には、江戸文學の本(特に随筆)が多くありました。
ボーとしていてね - 粕谷隆夫
2024/11/06 (Wed) 08:22:48
村野さんの「老いのレッスン」が面白いです。内田樹先生の本は何冊か読んでいます。
10月26~28日の三日間、青森県の田舎、平内町にいました。ひとり旅でしたので新幹線で帰宅しましたが、やはり速い。と思っていたら、29日に私事でまたまた青森県に行くことになりました。今度は女房の実家、下北半島。田舎には田舎のしきたりがあり、あまり口出しをしなくてもいいから、ボーとしていてね、ときたもんだ。そうすると、バカ面をしていて、酒ばかり吞んでいるわけにもいかず、大自然の中に姿を消しといたほうが利口となります。
尻屋岬灯台でボーとします。さすがに秋が深まっていきます。
君の行(ゆ)く道は 果てしなく遠い
だのになぜ 歯をくいしばり 君は行くのか
そんなにしてまで
なつかしい歌が耳の奥に響く。まあ、前途は、果てしなく遠くないが・・・。
空にまた 陽がのぼるとき
人はまた 歩きはじめ (若者だけではありません)
Re: ボーとしていてね - K.Murano
2024/11/06 (Wed) 15:29:18
西田敏行演じるところのハマザキだったら、岬のどこかで釣り糸を垂れていたかもしれませんね。
西田が昇天したあとネットでちらほら映画「釣りバカ日誌」を見ていて思ったのですが、大人数の宴会でのどんちゃん騒ぎでのハマちゃんのハチャメチャぶりは、ほんとおかしいです。
昔は世の中がもっとにぎやかだったと思います。今はみんな下向いて黙ってスマホを見ている。昔はハマザキみたいなお祭り男がいた。
大昔ですが、母が、田舎の親戚の旧家の披露宴に出たら、座敷に芸者さん方が来ていて、「おねえさん、どうぞ」と姐さんからお酌をされたそうです。三味線が入って、酔っ払ったどこかの親父が姐さんらと一緒に踊っていたかもしれません。
Re: 「えッ、佐藤オリエだけ」 - 粕谷隆夫
2024/11/07 (Thu) 06:36:32
弊社にはおばさん達が何人かいます。昨日の雑談はあの『若者たち』の歌と出演者の話。
長男役の田中邦衛は亡くなってしまったが、「当時から独特の演技だったな」と言うと、何言ってるのと叱られました。橋本功、山本圭、松山省二はもういません。
今ご存命は佐藤オリエのみ。81歳。そういえば、彼女の親父さんは、彫刻家の佐藤忠良でしたね。
Re: ボーとしていてね - 川上 宏
2024/11/07 (Thu) 17:01:47
後年、TSUTAYAでDVD を借りて見ていたが、レンタルをやめたり、閉店してしまい、昨今は見れなくなってしまいました。
「昭和問答」(田中優子、松岡正剛) - K.Murano
2024/11/04 (Mon) 20:50:49
先月、岩波新書『昭和問答』(田中優子、松岡正剛)が刊行された。上記「ワード検索」してみると、本欄では2021、22年に粕谷発行人と天道氏が田中、松岡両氏に言及していた。
以下、同書から、満州のハルビンが出てくる箇所とそれに続く箇所とを引用しておく。
━━━━━━━━━━
【田中】以前、朝日新聞がノモンハン事件についてくわしく取り上げていた記事があっておもしろかったんですが、1960年代の初めにアメリカ人の歴史家が、〔ノモンハン〕戦争当時に将校だった日本人36人にインタビューした、その記録が南カリフォルニア大学に残っていて、朝日新聞がそれを分析している記事なんです。
それによると、関東軍の特務機関がハルビンにあって、ソ連側の電報の傍受に連日約80人が当たっていたそうです。だからソ連の極東空軍司令部の人びとの動きはものすごくよくわかっていた。(中略)
ところがそうやって80人の日本人がハルビンで情報を獲得しているのに、情報班というのは関東軍の参謀部の作戦課のエリートに比べて下に位置するので、情報班の情報を活用もしなければ受け取りもしない。報告は来るのに、エリートたちはそれを取り合わなかったんだそうです。
自分たちが調査した範囲でしか作戦を立てられないので、結局ノモンハン事件ではソ連にめちゃくちゃにやられてしまう。こういうことが、日本の戦争の現場ではいろいろ起こっていたようです。
【松岡】ぼくは昭和が終わるころ(昭和59年〔1884〕)に、「ニュードキュメンタリードラマ 昭和 松本清張事件に迫る」というテレビ朝日の番組の企画構成を担当したんです。全部で25回ほどあって、東京ローズ、スパイ・ゾルゲ、帝銀事件、浅沼刺殺、連合赤軍などなど、昭和の事件を次々取り上げた。
そのとき清張さんがしきりに言っていたのが、昭和は下の人の証言を研究しないかぎり何もわからない、ということでした。ずっとそう言っていた。
清張さんは「週刊文春」で「昭和史発掘」という連載をたしか7年くらいやりつづけた。とくに二・ニ六事件について力を入れて取材してたんですが、そのときも、当時の下士官でまだ存命だった人たち100人以上にインタビューしています。
ある意味では、清張さんの推理小説はすべてがそうですよ。つねに上にいる者と下にいる者の食い違いを描いていますよね。それをいまは山崎豊子、宮部みゆきや高村薫が継承している。上と下のずれを描くというのが日本のサスペンスの王道となっている。
【田中】なるほど。
【松岡】では、日本は上と下のずれによって、何を失敗したかということです。
━━━━━━━━━━
Re: 正誤表 - K.Murano
2024/11/04 (Mon) 20:56:04
(誤)昭和59年〔1884〕
(正)昭和59年〔1984〕
Re: 「昭和問答」(田中優子、松岡正剛) - 天道公平
2024/11/10 (Sun) 00:00:36
岩波新書の『日本問答』『江戸問答』『昭和問答』の3部作をまだ読んでいないならば、是非この順番に読んで欲しい。日本→江戸→昭和と進むに従って解像度が上がる。最も濃密な時空は最後のお楽しみに取っておいた方がいい。
10年後、90歳の松岡と82歳の田中による問答シリーズ完結編『現代問答』を私は読みたかった。(ただの無い物ねだりです)
Re: 松岡・田中より松岡・津田 - 天道公平
2024/11/10 (Sun) 01:34:21
岩波新書の〈問答シリーズ〉よりも私はこちらの方をお薦めしたい。
『科学と生命と言語の秘密』(文春新書)
松岡正剛は語学の習得を放棄した男である。数学的才能にも恵まれていない。それなのに、ただ編集という方法を使って一流の数理科学者である津田一郎に斬り込んでいきながら、科学と生命と言語の謎に迫ろうとするその姿勢が素晴らしい。津田一郎を相手にこれほどスリリングな対話を繰り広げられる編集者は他にはいない。
松岡正剛の逝去がどれほどの損失であるかを思い浮かべることができない人には、今月号の『ユリイカ』でも読んでもらいたい。
この談話室でも粕谷大人が松岡の逝去に言及されていたが、その時の書き込みは「松岡正剛氏逝去。80歳。」というそっけないものであった。松岡の死はたったの一行で済ませられるような出来事ではない。その後追悼記事の紹介でもあるのかと思っていたら何の音沙汰もない。
この扱われ方に愕然とした私は、『巨星、堕つ─追悼・松岡正剛』というタイトルの文章を書いたのだが、この談話室にはふさわしくないと思い直して投稿は取り止めた。私が書きそうなことは『ユリイカ』11月号を読んでいただければ想像がつくだろうと思う。
Re: 読書指南に感謝 - K.Murano
2024/11/10 (Sun) 19:24:51
天道さんの書き込みに刺激を受けて、松岡・津田問答の本は途中まで読んで図書館に戻しっぱなしだったことに気が付きました。今度、また手に取ってみます。
トシ取ってしまったせいか、「老い」と「死」をめぐる本に関心がありますが、天道さんの言う「科学と生命と言語の謎に迫ろうとする」挑戦的精神が横溢した本を尊重したい、と思います。
私が「昭和問答」を読んだのはタイトルの「昭和」にひかされたためです。一気に読まされました。そのうち「日本問答」「江戸問答」も図書館で借りて読もうと思います。
Re: 『心はすべて数学である』 - 天道公平
2024/11/12 (Tue) 00:49:39
『昭和問答』を一気に読まされるほどに読書慣れしているはずの村野さんが、『科学と生命と言語の秘密』に対しては、一気に読めずに貸し出し期限が迫って図書館に返却するはめになってしまったのは、村野さんの今までの読書傾向があまりにも文系の書物に偏っていたために、津田一郎の思考法にうまく対処出来なかったからではなかろうかと思いました。
同じ轍を踏まないためには、多少の予習が必要かもしれません。去年、文庫化もされましたから、津田一郎の『心はすべて数学である』(文春学藝ライブラリー)を先に読んでおくことをお薦めします。
この本には津田の思考のエッセンスが全て注ぎ込まれています。「心がすべて数学なわけないだろッ!」というような拒否反応を起こさずに、津田の思考法の一端を垣間見ておけば、『科学と生命と言語の秘密』は「巻を措く能わず」という形容がふさわしい書物へと変貌を遂げていることになるでしょう。
Re: 「心はすべて数学である」 - K.Murano
2024/11/12 (Tue) 23:13:22
さらなる読書指南、ありがとうございました。
津田氏のこの本、面白いタイトルですね。
近隣の公立図書館のHPで検索したら出てきました。
今度寄ったら、こちらも借り出します。
天道さんは「水源地」8号(2025年4月発行予定)にこうした読書指南的文章を寄稿なさったらどうでしょうか。
ブログですと走馬燈のように時間がたつと書き込みが見えなくなってしまいますが、「水源地」だと静止して浮かんでいるので閲覧が便利です。
Re: ゼットーニセンテンセヨ - 天道公平
2024/11/15 (Fri) 00:57:28
「ゼットーニセンテンセヨ」とは芭蕉の教えですが、音だけでは何の事だかさっぱりわからないでしょう。しかし、「舌頭に千転せよ」と表記すればたちどころに意味が通じると思います。
千転どころか二転、三転もせずに垂れ流し状態の私の文章なんぞは、「時間がたつと書き込みが見えなくなってしまう」ぐらいの場にひっそりと思い付いたように時折投稿するぐらいがふさわしいと思います。
私は自分の書いた文章を推敲のために読み返すと嫌になるのです。瑕疵ばかりが目について、「こんな事をするぐらいなら、本を読みたい」という気分になるのです。「本を読む暇あるなら書きたい!」という意欲は私にはありません。私は実作者にはなれないのです。
椿山 - 粕谷隆夫
2024/10/29 (Tue) 07:55:34
この3日間、青森県の東津軽郡平内町(鉄道の駅名は小湊)に滞在していました。隣りには東北の熱海と言われている浅虫温泉がある。
伯父の23回忌と伯母の7回忌でした。
ここの夏泊半島には椿山があります。柳田国男の文章を思い出します。
Re: 青函連絡船 - 粕谷隆夫
2024/10/30 (Wed) 07:45:54
やはり懐かしい。津軽海峡を渡らないと北海道には辿り着きません。今は亡き、7期生の山内君が、「粕谷さん、金、金」と言って小銭をかき集め、缶ビールを買ってきて、隅にひとりでいるオジサンに「一杯やってよ」と手渡した。オジサン「おう、あんちゃん、これでつまみと酒、酒を買ってきな」と手渡したのが5千円札。
「あの人富山に行くひと。熊の胆、熊の胆ですよ」ときたもんだ。オジサンとは、青森駅で別れたが、たしかにオジサンは奥羽本線。こちらは東北本線。別れ際、3千円を山内君にくれました。
Re: 「熊の肝」 - K.Murano
2024/11/03 (Sun) 00:54:37
「熊の肝」のエピソードは、2021/05/20 (Thu) 09:48:12 の本欄で、出ています。3年半ぶりです。
同じ話を久しぶりに繰り返すことが駄目だとはさらさら思いませんが、以上は、念のため。(「熊の肝」のワード検索でわかりました。)
Re: 正誤表 - K.Murano
2024/11/03 (Sun) 01:00:00
(誤)熊の肝
(正)熊の胆 (熊胆)
Re: 老いの繰り言 - 吉澤稔雄
2024/11/03 (Sun) 11:47:37
私も意識して同じことを言ったり書いたりすることはありますが、これを無意識にやるようになったらお終いだと自戒しております。
Re: 三度目です。 - K.Murano
2024/11/04 (Mon) 20:03:36
その後、念のため、「青函連絡船」でワード検索してみたら、2022/09/02 (Fri) 06:37:39 でも発行人は同じ「熊の胆」の話を書き込んでいました。
二度目ではなく、今回で三度目でした。
発行人が「無意識」にやっていることかどうか、編集長同様、私も気になりましたが、それとともに、何か「付加価値」的発言を、そのつど、エピソードを述べたあとに加味する、という「手」もあったのではないか、とも思いました。もちろん、これは「意識して」いなければむつかしい、ということなんでしょうが。
トシとると誰だって身体にガタがきます。
アタマも、ぼけてくるかもしれません。
私も、本欄での書き込みの際は(不安を感じたら)人名、事件名、など事前に「ワード検索」してから、始めよう、と思います。
「老いのレッスン」(電子版) - K.Murano
2024/10/27 (Sun) 20:01:45
大学時代の先輩から「君も<老い>の勉強を少しはしたらいいぞ」と、おしえられました。大和書房のHPからです。まだ紙媒体では出していないようです。
→ https://daiwa-log.com/magazine/tatsuru_u/
Re: 全7回のレッスン - K.Murano
2024/10/29 (Tue) 19:51:11
全7回の「レッスン」を受けてみましたが、質問者の三十代の編集者を意識した、わかりやすい語り口です。
内容はたいへん良識的なもの、と私は思いました。
以下、「第五回」から:
━━━━━━━━━━━━━━━━
前にも書いたように、自我というのは「アパートみたいなもの」だと僕は思っています。
いろいろな自分がそこに暮らしている。子どもの時の自分も、青年期の自分も、おっさんになった自分も、病み衰えた自分も、そこに暮らしている。攻撃的な自分も、穏やかな自分も、利己的な自分も、親切な自分も、男らしい自分も、母性豊かな自分も、幼児的な自分も、成熟した自分も、みんな部屋を並べて暮らしている。そんな「アパート」です。
誰か一人が「ほんとうの自分」で、あとは克服すべき「未完成形」であったり「不良品」であったり「劣化コピー」であったりするわけではありません。全部、等しく自分なんです。
だから、自分が何か重大なことについて判断し、決定的な行動をするときには、この「アパート」で住民会議を開くことになります。いろいろと意見が出ます。深刻な対立が生じることもある。でも、まあだいたいみんな同じくらいに不満なところが「おとしどころ」になります。(後略)
━━━━━━━━━━━━━━━━
日本では新聞雑誌に「人生相談」の欄が見られ、大昔からの伝統ですが、外国ではどんなものでしょうか。ロシアなどではそもそも「それ」がない? いや、すべてはインターネットに移っている?(ソノマエニ、センソウ、ヤメロヨ)
相変わらず - 吉澤稔雄
2024/10/25 (Fri) 11:52:25
一昨日、茨城県守谷市の鮨の吉右エ門にて10月例会を行いました。相変わらずのメンバー、忍岡高校58期生7人+ステラ物流社長の計8人。皆さん変わらず、峯雲先生のシャツも変わらずです。あれは峯雲先生の制服なのか?……
Re: 相変わらず - 川上 宏
2024/10/25 (Fri) 17:13:53
ご本人がおっしゃるには、アウトドア仕様で縫製と生地がしっかりしているため、10万回の洗濯に耐えうるとのこと。
クレイジーキャッツの"5万節"を思い出しました。
テーマ川柳・・・更年期 - 粕谷隆夫
2024/10/25 (Fri) 07:51:27
久しぶりに織田作の名前を目にしました。『夫婦善哉』か。
そしてホット缶コーヒーを片手に、誰もいない早朝の会社で新聞を開く。川柳をみて、「なんだこれ、入選作はすべて夫婦じゃないか」。
第1位 夫しか当たるとこなし更年期
よく揉めたあの頃夫婦で更年期
更年期亡夫もあったかゴメンやで
身の不調夫の愛の試し時
更年期出口で待っている夫
俺するよ点数稼ぐ更年期
よくわからない一句。更年期ハンカチ二枚持ち歩く
『夫婦善哉』か。最近は大阪に行ってないです。
Re: テーマ川柳・・・更年期 - 樫本真奈美
2024/10/25 (Fri) 11:22:51
『夫婦善哉』、この中で「おでん」の東京版は「関東炊き」といい、タコが入るのを初めて知りました。
法善寺横丁には、この作品を読んで行ってみたのを覚えています。
どーしようもない男を支える肝っ玉の据わった健気な女、その描き方が繊細で好きです。
Re: テーマ川柳・・・更年期 - 川上 宏
2024/10/25 (Fri) 15:14:36
樫本さんの「ロシアの三助さん」の投稿、面白かった。腹を抱えて笑った。ちなみに小生が母親に連れられて銭湯に通っていた頃は、まだ三助さんは健在。声がかかるとご婦人の背中を流して、半股引姿がとてもカッコよかった。昭和30年代の話です。
Re: テーマ川柳・・・更年期 - 川上 宏
2024/10/26 (Sat) 09:00:53
『夫婦善哉』小説もさることながら、ビデオで見た豊島四郎監督の映画がまた良かった。森繁久彌演じる柳吉の駄目っぷりが印象に残ってます。
Re: テーマ川柳・・・更年期 - 樫本真奈美
2024/10/26 (Sat) 21:05:39
川上さま
拙稿で笑っていただき光栄です・笑
なんと、実際の三助さんのご記憶があるとは!!!!!
明治時代に日本にやって来た外国人の挿絵でしか見たことがなかったので、驚きました!!羨ましいです。
映画、見たことがないので見てみます!
ご紹介、ありがとうございます。
書庫とパソコン - 粕谷隆夫
2024/10/22 (Tue) 12:02:39
札幌の友人から「7号のF先生の話、1号の後記に書いてあるぞ」とメールがきました。「あれ?」。
入学式のとき、同時に赴任してきたばかりのF・明美先生は美人かなと思っていたら、満州帰りの男侍だった。
村野さんの文章。『水源地』発行とプーチン訪日と同じ十二月に、藤原書店から『東京を愛したスパイ一九〇七~一九八五』が刊行される。
峯雲先生は様々な作家の個人全集を持っていて、「すべて処分する」と電話が来たときは、「バカ野郎!」とトラックを配車して、こちらの書庫に運び込みました。そのとき小さな箱を手に持ち、「ここにすべて記憶してある。火事で家を飛び出すときは、これを持って出れば良いのだ」と訳の分からないことを言っていた。今はその理由がわかります。
書庫の本は死書になり、あの小さな箱からは簡単に文章が再生できます。